12月とは思えないほど澄んだ青空が広がり、風も穏やか――まさに絶好のマラソン日和となった第20回湘南国際マラソン
沿道には早朝から多くの応援が集まり、特に江の島付近の盛り上がりは“湘南らしさ”そのもの
今年はサブ3.5を目標に、このフラットコースで記録更新を狙っての参戦でした
記録を狙うことに徹して走った42.195km
そのリアルな記録を、ランナー目線で詳しくお届けします
湘南国際マラソンとは?

第20回を迎えた湘南国際マラソンは、神奈川県の大動脈である国道134号線を舞台に、太平洋を望むシーサイドラインを駆け抜けるフルマラソン大会
冬の澄んだ空気と抜群のロケーション、そして「フラットで記録を狙いやすい」ことで、多くのランナーに選ばれています
大会概要(2025年版ハイライト)
- 開催日:2025年12月7日(日)
- 開催地:神奈川県中郡〜藤沢市
- 種目:フルマラソン(42.195 km) (他、ファンラン10Km、2km、親子ラン有)
- 参加者:19,500人
- 参加費:15,000円
- 制限時間・関門など:制限時間は6時間半、途中9カ所の関門あり
魅力・特色
- 海沿いを走る “日本屈指のシーサイドコース”:湘南といえば、やはり国道134号線の絶景ラン。江の島や相模湾の青い海を横目に、ほぼフラットな一本道を進むコースは、景観と走りやすさの両方を兼ね備えています。記録狙いでも、景色を楽しむファンランでも満足度の高いレースです。
- “エコを大会全体で実践する”先進的マラソン:湘南国際マラソンの大きな特徴が、徹底した環境配慮の取り組み。給水所ではマイボトル・マイカップの持参が必須となり、使い捨てプラスチックを大幅に削減。ランナー・スタッフ・地域が一体となった「持続可能な大会運営」を感じられます。単に“エコを掲げる”だけでなく、実際に行動レベルまで落とし込まれているのが他大会にはない魅力です。
- 応援が熱い“江の島エリア”の盛り上がり:沿道の応援も湘南国際の魅力。特に江の島付近は応援が密集し、大会全体のハイライトといえる盛り上がりを見せます。左右から飛び交う声援は、ペースが上がってしまいそうなほど力強く、走るエネルギーを与えてくれる場所。応援がどれだけ背中を押してくれるかを実感できます。
大磯を出発し、藤沢・江の島まで行って戻ってくるという、湘南を満喫する海沿いの舞台設定
20回記念大会ということもあり、例年以上に多くのランナーと応援でにぎわいを見せていました
コース紹介
湘南国際マラソンのコースは、国道134号線を中心に往復するシンプルなレイアウト
高低差が小さく、ほぼフラット
余計な起伏がないためペースが作りやすく、サブ4〜サブ3.5を狙うランナーにとって相性の良いコース設定です
- スタート〜前半:大磯〜江の島方面へ向かう海沿いルート:序盤は太平洋を左手に見ながら進む爽快なストレート区間。江の島付近の応援が非常に多く、自然とペースが上がりやすいポイントです。
- 中盤〜折り返し:海風の影響を受けやすいエリア:この日は風が弱く走りやすかったものの、例年はここで風に苦しむことも。往路と復路で景色が変わらないため、メンタルの安定が鍵になります。
- 終盤:復路は“粘り勝負”の展開に:30kmを超えると体力勝負に入り、ペース維持できるかどうかで結果が大きく変わるポイント。

湘南国際マラソンにおける注意点と攻略法
ここでは、実際に湘南国際マラソンを走って感じた「注意点と攻略法」を3つにまとめました
ポイント① 単調な海沿いコースで“メンタルが削られやすい”
国道134号線はフラットで走りやすい反面、景色の変化が少ないため、中盤〜終盤で気持ちが切れやすい
特に折り返し後は「進んでいる感」が得にくく、ペースの維持が難しい
- 5kmごとに“淡々と刻む区間”と割り切って走る
- 事前に「ここからが本番」と心構えをつくる
- ペーサーを使う場合は視覚的な目標にして集中力を保つ
湘南は「ペースを乱さず刻めるか」が結果の大部分を握ります
ポイント② 給水はマイボトル必須、慣れていないとロスが出る
湘南は環境配慮の一環として紙コップを使わない完全マイボトル方式
普段ボトルを持って走っていないランナーは、給水ポイントでの“補給動作”がぎこちなくなり、タイムロスが生まれやすい
給水でのタイムロスを減らすために水分を多めにもって走ろうとすると重量がふえるというトレードオフもあり、水分の適度な携帯量が悩みどころ
- 事前の練習でマイボトル給水に慣れておく
- ボトルの位置は取り出しやすい腰位置 or 手持ちで固定
- 給水したいタイミングを決めておくと焦らずに済む
“給水でバタつかないこと”が、後半の集中力維持につながります
ポイント③ 終盤(30km以降)の落ち込み対策が勝負を決める
湘南は前半が走りやすいため、多くのランナーが気持ちよく入りすぎてしまい、30km以降で一気にペースダウンしがち
コースが平坦な分、脚の筋疲労が単調に積み上がるのも特徴です
また最後は高速を走るため応援の数も一気に減ります
ここぞというときに応援の力を借りれないというのが辛いところ
- 25〜30kmまでは“やや余裕を持ったイーブン”を意識
- 終盤に効く勝負ジェルを1本、30km手前で投入
- フォームが崩れたら「上体を起こす」「腕を振る」で立て直し
湘南の後半は“気持ちだけで押し返せる場面”が多く、ここでの対策がサブ3.5・サブ4などの達成率を大きく左右します
関連YouTube動画

まとめ

第20回を迎えた湘南国際マラソンは、澄んだ冬空、穏やかな風、そして途切れない応援に支えられながら走る、
“記録を狙うランナーにとって理想的な舞台”でした
ほぼフラットなシーサイドコースは、淡々とペースを刻むことに集中でき、走力がそのまま結果に反映されるレース展開になりやすい
一方で、景色の変化が少ない湘南特有の“メンタル勝負”や、マイボトル給水といった大会独自のルールもあり、攻略には事前の準備とレース運びの工夫が欠かせません
それでも、30km以降の苦しさを乗り越え、最後の直線に差し込む光の中でゴールへ向かう瞬間には、湘南ならではの達成感が待っています
今回のレースは、サブ3.5という目標をつかむための挑戦であり、フラットなコースの恩恵と、自分の弱さに向き合う試練の両方を味わう42.195kmでした
また来年、この海沿いの道に立ちたくなる——
そんな“走る理由”を与えてくれる大会でした
個人的なレースの振り返り

最後に、今回の湘南国際マラソンを走って感じたことを、レース展開に沿って振り返ります
自分の走りがどうだったのか、どこに課題があり、どこに手応えを得たのか——次のレースにつながる記録として残しておきます
前半:順調な入り、ペーサーにしっかりと付いていく
スタート直後から脚が軽く動き、狙ったペースにスムーズに乗ることができた前半
サブ3.5のペーサーは常に視界の中に入り、その背中を追いながら淡々と距離を積み重ねていった
江の島付近では沿道の声援が一段と大きくなり、調子に乗ってリズムを崩しそうになりましたがここは必死に我慢
気温や風などのコンディションも味方し、呼吸も脚もまだ余裕があり、この時点では「今日はいけるかもしれない」という手応えを感じることができました
序盤のうちに余計な力を使わず、狙いどおりのペースで入れたことは後半への大きな布石となったと思います
中盤:リズムよく一定ペースで走り抜ける
10kmを過ぎてもペースは安定し、20km、25kmと順調に刻む
淡々とした区間が続くなかでも、時計を見ればほぼ狙いどおりのラップ
折り返し地点に向かう頃には、ペーサーとの距離もまだ大きく変わらず、精神的にも安定していました
「このまま30kmまで行ければ勝負できる」
そう思えるだけのリズムで走り続けていたと思います
後半:サブ3.5に向けた自分との闘い
30kmを過ぎたあたりから、徐々に脚の重さが気になり始めます
気持ちは前に向かっているのに、体の反応が少しずつ鈍くなり、ペーサーの背中が次第に遠ざかっていく
33km付近で完全に差が開いた瞬間、気持ちが揺らぎました
ここからは“維持できるかどうか”の本当の勝負
ペースアップどころか、現状のペースを守るだけでも精一杯
それでも一歩ずつ前へ
沿道からの応援が背中を押し、自分自身に問いかけるように腕を振り続けた
最後の数キロは、時計とのにらめっこ
「絶対サブ3.5は達成する」その気持ちだけでゴールへ向かいました
後半は苦しさの連続だったが、それを乗り越えて掴んだタイムは、何よりも価値あるものとなりました
結果と振り返り
記録は3時間29分
目標のサブ3.5をほんとギリギリで達成
後半は少し垂れてしまいましたが、それでもレース全体をうまくマネジメントし、大きくタイムが崩れることはなく42kmを走り切ることができたと満足しています
今回の経験を糧に、次のフルに向けて後半の粘りをもう一段階高めていければと考えています
▼フルマラソンでサブ4を狙う詳しい説明は以下の記事をご覧ください▼

▼初心者がまず揃えるべきランニングギアは以下の記事をご覧ください▼

▼練習メニューについて興味がある方は以下のページをご覧ください▼


コメント