ランニングの練習方法には、ジョグ、ペース走、インターバル走、ビルドアップ走など、さまざまな種類があります
しかし実際には、
- ペース走は単調で長く感じる
- インターバル走はきつすぎて続かない
- もう少し楽しく、でも効果のある練習がしたい
そんな悩みを感じているランナーも多いのではないでしょうか
そこで今回ご紹介するのが、「ファルトレク」というトレーニング方法です
ファルトレクは、決められた距離や時間、厳密なペース設定に縛られず、
速いペースとゆっくりしたペースを繰り返しながら走り続ける練習法として知られています
不整地や丘陵、アップダウンのある坂道などを活用しながら、
おおよそ 20〜60分程度を走り続ける のが一般的で、
スタミナとスピードを同時に、しかも効率よく鍛えられるのが大きな特徴です
ペースを意図的に変えながら走ることで、
単調になりがちなランニングに自然な変化が生まれ、
「気づいたらしっかり追い込めていた」
そんな感覚を得られるのもファルトレクならではの魅力です
また、ファルトレクは 練習の自由度が高く、精神的な負担が少ない ため、
ランニング経験が浅い初心者や、体力の衰えを感じ始めた中高年ランナーにも取り入れやすい練習法と言えます
とはいえ、
- ファルトレクって具体的にどんな練習内容なの?
- 初心者がやっても本当に効果はある?
- ペースや頻度はどう決めればいい?
- 注意すべきポイントは?
といった疑問や不安を感じるのも自然なことです
この記事では、
フルマラソン完走を目指すランナーやサブ4を狙う市民ランナー、中高年ランナー を対象に、
ファルトレクの基本的な考え方から、効果、実践しやすい練習メニュー、注意点までを分かりやすく解説します
「きつすぎる練習は避けたい、でも確実に走力は伸ばしたい」
そんなランナーにとって、ファルトレクは有力な選択肢のひとつになるはずです
ぜひこの記事を参考に、
あなたのランニングライフに 「楽しさ」と「成長実感」 をプラスしてみてください
ファルトレクとは?

ファルトレクの意味と由来
ファルトレク(Fartlek)とは、スウェーデン語で「スピードプレイ(Speed Play)」を意味するランニングトレーニングです
1930年代にスウェーデンのコーチ、ゴスタ・ホルマーによって考案され、
一定のペースで走り続けるのではなく、
速いペースとゆっくりしたペースを自由に切り替えながら走ることを特徴としています
ファルトレクの目的は、ペース変化を取り入れることで
心肺機能と持久力を同時に刺激し、レースに対応できる走力を養うことです
厳密なペース設定に縛られないため、楽しさと実践しやすさを両立した練習法として、
初心者から中級者まで幅広く取り入れられています
ファルトレク最大の特徴は「自由度の高さ」
ファルトレクの最大の特徴は、
スピードやペースをランナー自身の感覚で調整できる点にあります
距離や時間、ペースを秒単位で細かく決める必要はなく、
- 次の電柱まで少しペースを上げる
- 息が整うまでジョグに戻す
- 坂道では無理せず、平坦や下りでスピードを出す
といったように、
その日の体調や走っている感覚に合わせて自然にペース変化をつけることができます
この自由度の高さにより、
- 追い込みすぎを防ぎやすい
- 練習の心理的ハードルが低い
- 継続しやすい
といったメリットが生まれ、ファルトレクは「続けやすいスピード練習」として評価されています
ファルトレクとインターバル走の違い
ファルトレクを知るうえで、多くのランナーが疑問に思うのが
「インターバル走と何が違うのか?」 という点です
どちらもスピードに変化をつける練習ですが、考え方や構造には明確な違いがあります
| ペース設定 | 感覚ベースで自由 | 明確に設定 |
| 構造 | 流れの中で変化 | 走る・休むを分離 |
| きつさ | 調整しやすい | 高強度になりやすい |
| 主な目的 | 持久力・ペース対応力 | スピード・心肺強化 |
| 向いている人 | 初心者〜中級者 | 中級者以上 |
インターバル走は、設定どおりに走り切ることで強い負荷をかけるトレーニングです
一方でファルトレクは、
走り続けながらペース変化をつけることが前提となるため、
負荷を調整しやすく、無理なくスピード刺激を入れることができます
そのため、初心者にとってはインターバル走の前段階としても取り入れやすい練習法と言えるでしょう
ファルトレクはどんな場所でも実践できる
ファルトレクというと、不整地や丘陵、アップダウンのあるコースを走るイメージを持たれがちですが、
必ずしも起伏のあるコースで行う必要はありません
重要なのは地形ではなく、「ペースの変化を取り入れること」です。
- 公園の周回コース
- トラック
- 街中のフラットな道路
こうした場所でも、速いペースとゆっくりしたペースを交互に取り入れることで、ファルトレクの効果を十分に得ることができます
特別な環境や設備を必要とせず、
日常のランニングコースで実践できる汎用性の高さも、
ファルトレクが長く支持されている理由の一つです
ファルトレクの効果とメリット

ファルトレクの最大の魅力は、トレーニングとしての効果と、走る楽しさを両立できる点にあります
一定ペースで淡々と走り続ける練習は、どうしても単調になりがちです
一方ファルトレクは、ペースに変化をつけながら走ることで、
自然とメリハリが生まれ、飽きずに継続しやすいという特徴があります
楽しみながら走っているうちに、
結果として走力の底上げにつながる――
それがファルトレクの大きな価値です
ここでは、ファルトレクによって得られる具体的な効果とメリットを整理して紹介します
- 乳酸処理能力の向上:
ファルトレクでは、インターバルトレーニングや閾値走と同様に、速いペースとゆっくりしたペースを繰り返すことで、体内に発生した乳酸を効率よく処理する能力を高めることができます。これにより、長時間の高強度運動でも乳酸が過剰に蓄積しにくくなり、レース後半まで粘れる持久力の向上が期待できます。フルマラソンで後半に失速しやすいランナーにとって、非常に重要な効果です。 - ペースコントロール能力の向上:
速く走る区間とゆっくり走る区間を繰り返し体験することで、自分にとって「適切なペース」を感覚的に判断する力が養われます。 その結果、レースや日常のランニングにおいてペース管理がしやすくなり、前半の突っ込みすぎや後半の極端な失速を防ぎやすくなります。安定したペースで走り切る力を身につけるうえで、ファルトレクは非常に効果的です。 - ランニングエコノミーの向上:
アップダウンのあるコースやペース変化に対応しながら走ることで、脚力やスピードを生み出すパワーが自然と強化されます。これは、異なる地形や強度に対応するための筋力や動作効率が鍛えられるためで、同じスピードでも疲れにくく走れる体を作ることにつながります。結果として、長距離でも無駄な力を使わない、効率の良い走りが身についていきます。 - 気分転換・継続しやすさの向上:
ファルトレクは、決められたペースや距離に縛られず、自由な発想で走ることができるため、練習に飽きが来にくいのも大きな魅力です。その日の体調や気分に合わせて強度を調整できるため、精神的な負担が少なく、「楽しいから続く」練習になりやすいというメリットがあります。結果として、走る習慣そのものが定着し、長期的な走力向上につながります。
ファルトレクの実践方法

ファルトレクの練習メニューは、ランナーのレベルや目的に応じて調整することが重要です
ここでは、フルマラソンでサブ4.5・サブ4・サブ3.5を目指すランナー向けに、具体的なメニュー例を紹介します
なお、以下で紹介する内容は あくまで一つの目安 です
分数や回数は、その日の体調やコース条件に合わせて柔軟に調整してください
ファルトレクは「正確にこなすこと」よりも、感覚を大切にするトレーニングです
①フルマラソンサブ4.5を目指すランナー向けメニュー
このレベルのランナーは、まずファルトレク特有のペース変化に慣れることが最優先です
基礎的な持久力を高めながら、速いペースで走る感覚を安全に身につけていきましょう
① ウォームアップ:
10分間のジョギング
② メインセット:
・2分間速く走る × 5回(速く走る部分は自分がややきついと感じるペース)
・各セットの間に3分間のジョギング
③ クールダウン:
10分間のジョギング
②フルマラソンサブ4を目指すランナー向けメニュー
サブ4を目指すランナーには、持久力に加えて、やや高い強度への対応力が求められます
このメニューでは、レースペースに近い感覚で走る時間を増やしつつ、疲労を溜めすぎないことを意識します
① ウォームアップ:
15分間のジョギング
② メインセット:
・3分間速く走る × 6回(速く走る部分は自分がきついと感じるペース)
・各セットの間に2分間のジョギング
③ クールダウン:
10分間のジョギング
③フルマラソンサブ3.5を目指すランナー向けメニュー
サブ3.5を狙うランナーには、高い持久力とレースペースの維持力が求められます
このメニューでは、強度を高めつつも、走りが崩れないことを重視します
① ウォームアップ:
20分間のジョギング
② メインセット:
・5分間速く走る × 8回(速く走る部分は自分が非常にきついと感じるペース)
・各セットの間に1分間のジョギング
③ クールダウン:
15分間のジョギング
実際に試してみた体験談と感想
筆者自身も、現在 「フルマラソンサブ4を目指すランナー向けメニュー」 を練習に取り入れています
ペースを上げ下げするため、実際に行ってみると負荷はそれなりに高く感じます
回数を重ねるごとに息が上がり、脚にも確実に疲労が溜まっていきました
正直な感想として、
ファルトレクは 効果を数値で実感しにくいトレーニング だと感じています
その日のコンディションによって「きつい」と感じるペースが変わるため、
成長を定量的に判断しづらい点は難しさでもあります
一方で、タイムや距離を細かく気にせず、感覚で走れるため、
精神的なリフレッシュ効果は非常に高いと感じました
単調なランニングではなく、ペースの変化そのものを楽しめることで、
純粋に「走ることが楽しい」と思える時間になります
ファルトレクは、
記録を直接狙う練習というよりも、走りの幅を広げるための刺激として取り入れるのが向いていると感じています
気分転換やモチベーション維持を兼ねて、定期的に実施したいトレーニングです
初心者が注意すべきポイント

初心者ランナーがファルトレクを実施する際には、いくつか注意すべきポイントがあります
これらを意識することで、怪我のリスクを抑えながら、安全かつ効果的にファルトレクを取り入れることができます
- 無理をしない:ファルトレクはペースに変化をつける練習のため、つい頑張りすぎてしまいがちです。初心者はまず、自分の体調やフィットネスレベルに合わせ、無理のない強度で行うことが大切です。特に速く走る区間は、「ややきつい」と感じる程度にとどめ、きつすぎる場合は途中でペースを落としたり、回数を減らしたりしても問題ありません。
- ウォームアップとクールダウンをしっかり行う:怪我を防ぐためにも、ウォームアップとクールダウンは必ず行いましょう。ウォームアップでは、ゆっくりしたジョギングや動的ストレッチで体を温め、クールダウンでは軽いジョギングや静的ストレッチで心拍数を徐々に落ち着けます。
- 周囲の環境に注意する:ファルトレクでは、地形や周囲の状況を利用して走ることも多いため、常に安全を意識することが重要です。路面が滑りやすい場所や障害物が多い場所では無理をせず、夜間や早朝に走る場合は反射材付きのウェアやライトを使用して、安全確保を心がけましょう。
ファルトレクは、「頑張り切ること」よりも気持ちよくペース変化を体験することが大切な練習です
無理のない範囲で取り入れ、走る感覚を楽しみながら続けていきましょう
まとめ|ファルトレクは楽しみながら走力を伸ばせる練習法
ファルトレクは、速いペースとゆっくりしたペースを自由に組み合わせながら走ることで、心肺機能・持久力・ペース感覚をバランスよく鍛えられるトレーニングです
距離やタイムに厳密に縛られないため、練習の心理的ハードルが低く、ランニング初心者や中高年ランナーでも取り入れやすいのが大きな特徴と言えます
以下のさまざまな効果を、一つの練習で同時に得られる点もファルトレクならではの魅力です
- 乳酸処理能力の向上
- ペースコントロール能力の向上
- ランニングエコノミーの向上
- 気分転換、継続しやすさの向上
一方で、ファルトレクは「タイムがどれだけ伸びたか」を測るための練習ではありません
成長を数値で実感しにくい場面もありますが、その分、走りの幅を広げ、レースに対応できる体を作るための良質な刺激を与えてくれます
- インターバル走がきつすぎると感じる
- 単調なジョグに飽きてしまう
- フルマラソン後半の失速を防ぎたい
- 楽しみながら走力を底上げしたい
こうした悩みを持つランナーにとって、ファルトレクは非常に相性の良い練習法です
大切なのは、無理をせず、自分の感覚を大切にすること
決められたメニューにこだわりすぎず、その日の体調や気分に合わせて柔軟に取り入れてみてください
ファルトレクを上手に活用すれば、ランニングは「きつい修行」から「続けたくなる習慣」へと変わっていきます
ぜひ、あなたのランニングライフの中に
楽しさと成長を両立できるトレーニングとして、ファルトレクを取り入れてみてください
▼フルマラソンでサブ4を狙う詳しい説明は以下の記事をご覧ください▼

▼練習メニューについて興味がある方は以下のページをご覧ください▼

