ランニングを続けているものの、
・頑張って練習しているのにタイムが伸びない
・フルマラソンの後半になると失速してしまう
・スピードもスタミナも効率よく伸ばしたい
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか
そんな方におすすめしたいトレーニングが「ビルドアップ走」です
ビルドアップ走とは、走り始めは余裕のあるペースで入り、徐々にスピードを上げながら走るトレーニング方法です
無理なく心肺機能や持久力を鍛えられるだけでなく、レース後半でもペースを維持する力やペース感覚も身につくため、多くの市民ランナーが取り入れています
一方で、
- ビルドアップ走って、具体的にどんな練習?
- 初心者でも本当に効果はある?
- ペース設定や頻度はどうすればいい?
- 効果を高めるコツや注意点は?
と疑問を感じる方も少なくありません
この記事では、ビルドアップ走とはどのようなトレーニングなのかをはじめ、期待できる効果、初心者でも実践しやすいやり方、適切なペース設定、取り組む際の注意点まで分かりやすく解説します
「今の練習から一歩レベルアップしたい」「マラソン後半でも失速しない走力を身につけたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください
結論|ビルドアップ走とはこんな練習
ビルドアップ走とは、前半は余裕のあるペースで入り、後半に向かって徐々にペースを上げていく練習です
スタミナ、スピード持久力、ペース感覚をバランスよく鍛えられるため、初心者〜中級者ランナーの走力アップに取り入れやすいトレーニングです
ビルドアップ走とは何か?

ビルドアップ走とは、ランニング中に徐々にペースを上げていくトレーニング方法です
最初は余裕のあるペースで走り始め、ランニングの後半に向かって段階的にスピードを上げていきます
ただ速く走るのではなく、「ペースをコントロールしながら走る」ことがビルドアップ走の最大の特徴です
前半は抑え、後半に向かって意図的にペースを上げることで、体力とスピードの両方を効率よく高めていきます
ランニング初心者や中級者の中には、
- 毎回同じペースで走っている
- ときどき全力で走るが、練習に一貫性がない
という方も多いのではないでしょうか
ビルドアップ走は、こうした「なんとなくの練習」から脱却し、目的を持って走力を伸ばすための橋渡し的なトレーニングとして非常に有効です
一方で、一定のペースを維持する力を重点的に鍛えたい場合は「ペース走」もおすすめです
ビルドアップ走は徐々にペースを上げながら走るのに対し、ペース走は最初から最後まで目標ペースを維持するトレーニングです
レース本番のペース感覚を身につけたい方はペース走、後半でも失速しない走力を養いたい方はビルドアップ走というように、目的に応じて使い分けることで、より効率よく走力を伸ばせます
▼ペース走の効果や取り入れ方はこちら▼

ビルドアップ走で得られる効果

ビルドアップ走は、単に「後半を速く走る練習」ではありません。
正しく行うことで、ランナーにとって重要な複数の能力を同時に鍛えることができます。
スタミナの向上
ビルドアップ走では、前半を抑えたペースで走りながら、後半にかけて負荷を高めていきます
この流れによって、長時間動き続けるためのスタミナが効果的に鍛えられます
ペースを徐々に上げる過程で心肺への負荷が段階的に高まり、酸素消費能力(VO₂max)の向上にもつながります
結果として、長い距離を走ってもバテにくい身体を作ることができます
スピード・スピード持久力の向上
ビルドアップ走の特徴は、一番きつい状態でスピードを上げる点にあります
ランニング後半、疲労が溜まった状態でペースを上げることで、速いペースを維持する力(スピード持久力)が養われます
これはレース後半に失速しやすいランナーにとって、特に大きなメリットです
単発のスピード練習とは異なり、「疲れた脚で走り続ける力」を鍛えられる点が、ビルドアップ走の強みと言えます
レースペース感覚が身につく
ビルドアップ走を継続すると、自分が快適に維持できるペースと無理をしているペースの違いが明確になってきます
段階的にペースを上げる過程で、
- このペースなら余裕がある
- このあたりから呼吸がきつくなる
- ここは長くは持たない
といった感覚を自然に把握できるようになります
この経験は、フルマラソンやハーフマラソンでのペース配分に直結します
メンタルの強化
ビルドアップ走は、身体だけでなくメンタル面の強化にも効果的です
後半に向かってきつくなる展開の中で、「もう少し上げる」「崩さずに粘る」判断を繰り返すことになります
この積み重ねが、レース後半の苦しい場面でも冷静に走り続ける力につながります
結果として、精神的な安定感や粘り強さが養われ、本番での自信にもなっていきます
このようにビルドアップ走は、
スタミナ・スピード・ペース感覚・メンタルをバランスよく鍛えられる、非常に汎用性の高いトレーニングです
また、レース中のペース変化への対応力をさらに高めたい方には「変化走」もおすすめです
変化走は、速い区間とゆっくりした区間を繰り返しながら走ることで、実際のレースに近いペース変化へ対応する力を養うトレーニングです
一定のリズムで徐々にペースを上げるビルドアップ走に対し、変化走はペースの上げ下げを繰り返す点が大きな違いです
▼変化走の効果や実践方法はこちら▼

次の章では、
「では、具体的にどうやってビルドアップ走を行えばいいのか」
初心者〜中級者向けに、やり方・練習メニュー・頻度をまとめて解説していきます
ビルドアップ走のやり方と練習メニュー

ビルドアップ走は、ランニング経験や現在の走力に応じて柔軟に調整できるトレーニングです
ただし、やり方やペース設定を間違えると、「きついだけで効果が出ない練習」になってしまうこともあります
ここでは、
ビルドアップ走の基本的な考え方 → ペース設定のポイント → レベル別メニュー → 適切な頻度
という流れで解説します
ビルドアップ走の基本的なやり方
ビルドアップ走の基本はとてもシンプルです
- 前半は余裕をもって走る
- 後半に向かって段階的にペースを上げる
- 最後まで設定した内容をやり切る
大切なのは、「後半に上げること」よりも、無理なく段階的にペースを上げられる設計になっているかどうかです
最初から飛ばしてしまうと、途中で失速し、ビルドアップ走本来の効果が得られません
「最後までペースを上げ切れること」を前提に、控えめなスタートを意識しましょう
ビルドアップ走のペース設定の考え方
ビルドアップ走を効果的に行うためには、ペース設定が最も重要です
ポイントは、
- 無理をしないこと
- 段階的に上げられること
- 練習を最後までやり切れること
ペースを決める方法は、大きく分けて次の2つがあります
- 時間で区切る方法
- 距離で区切る方法
どちらが正解ということはなく、
・時間管理がしやすい → 時間ベース
・距離感覚を養いたい → 距離ベース
といった形で使い分けるのがおすすめです
なお、ビルドアップ走の後半では、呼吸がきつくなるペースまで上げることもありますが、最初から最後まで速いペースを維持する練習ではありません
一定の速いペースを維持しながら、フルマラソンで必要なスピード持久力を重点的に高めたい場合は、「閾値走」も効果的です
閾値走は「ややきつい」と感じる一定のペースを維持し、乳酸を処理しながら走り続ける能力を高めることを目的としています
まずはビルドアップ走で段階的に負荷を高める感覚を身につけ、速いペースを長く維持する力を伸ばしたい場合は、閾値走も組み合わせてみましょう
▼閾値走の効果やペース設定はこちら▼

ここからは、サブ4.5/サブ4/サブ3.5を目標とするランナー向けに、具体的なメニュー例を紹介します
【時間で区切る】ビルドアップ走メニュー例
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 7分30秒~8分00秒/km)
↓
15分間:少し速めのペース (ペース: 7分00秒~7分30秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
↓
15分間:中程度のペース (ペース: 6分00秒~6分30秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 5分30秒~6分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 5分45秒~6分00秒/km)
↓
15分間:中程度のペース (ペース: 5分15秒~5分45秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 5分00秒~5分15秒/km)
↓
5分間:目標レースペースよりも早いペース (ペース: 4分45秒~5分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
距離で区切ってペースを調整する場合
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~2km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 7分30秒~8分00秒/km)
↓
2~4km:少し速めのペース (ペース: 7分00秒~7分30秒/km)
↓
4~6km:目標レースペース(ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~2km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
↓
2~4km:中程度のペース (ペース: 6分00秒~6分30秒/km)
↓
4~6km:目標レースペース(ペース: 5分30秒~6分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~3km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 5分45秒~6分00秒/km)
↓
3~6km:中程度のペース (ペース: 5分15秒~5分45秒/km)
↓
6~9km:目標レースペース(ペース: 5分00秒~5分15秒/km)
↓
9~10km:目標レースペースよりも早いペース (ペース: 4分45秒~5分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
ビルドアップ走の頻度と取り入れ方
ビルドアップ走は、週に1〜2回が目安です
頻度を増やしすぎると疲労が蓄積しやすくなるため、他の練習とバランスを取りながら取り入れましょう
また、効果を実感するためには、少なくとも8週間程度の継続がおすすめです
その日の体調や疲労度に応じて、ペースや距離を柔軟に調整しながら行うことが、長く続けるコツです
くまぞう私自身もマラソンシーズンにはビルドアップ走を取り入れています。以前は前半から飛ばして後半に失速することもありましたが、「前半は抑えて、最後まで上げ切る」ことを意識するようになってから、ビルドアップ走の効果を実感できるようになりました。
ビルドアップ走でよくある失敗と注意点

ビルドアップ走を効果的かつ安全に行うためには、いくつか押さえておくべき注意点があります
やり方自体はシンプルなトレーニングですが、間違った実践をすると効果が出ないだけでなく、怪我や不調につながることもあります
ここでは、初心者〜中級者が特に陥りやすい失敗と、その対策を整理します
最初からペースを上げすぎて失速する
ビルドアップ走で最も多い失敗が、前半からペースを上げすぎてしまうことです
「今日は調子が良さそう」
「最初から少し速めでもいけそう」
こうした感覚でスタートすると、後半にペースを上げられず、結果的にビルドアップになりません
ビルドアップ走で大切なのは、後半に余裕を残すことです
対策としては、
- 前半は「遅すぎるかな?」と感じるくらいで入る
- 最後まで段階的にペースを上げ切れる設計にする
この意識だけでも、練習の質は大きく変わります
後半でフォームが崩れてしまう
ペースが上がるにつれて、無意識のうちにフォームが崩れてしまうケースも少なくありません
特に多いのが、
- 上体が力んでしまう
- ストライドを無理に伸ばそうとする
- 腕振りが大きくなりすぎる
といった状態です
フォームが崩れたまま走り続けると、脚への負担が増え、膝やふくらはぎのトラブルにつながりやすくなります
ビルドアップ走では、
- ピッチを意識して自然に回転を上げる
- 上体はリラックスした状態を保つ
といった点を意識し、「楽に速く走る感覚」を大切にしましょう
疲労が溜まっているのに無理をしてしまう
ビルドアップ走は負荷の高い練習です
疲労が十分に抜けていない状態で行うと、オーバートレーニングや怪我のリスクが一気に高まります
特に注意したいのは、
- 前日の練習で脚が重い
- 違和感や軽い痛みが出ている
- 睡眠不足が続いている
といった状態です
こうしたときは、
- ペースを一段階落とす
- ビルドアップ走自体を別日に回す
など、柔軟に判断することが大切です
ビルドアップ走をやりすぎてしまう
効果を実感しやすい練習ほど、「やればやるほど伸びる」と感じてしまいがちです
しかし、ビルドアップ走を頻繁に行うと、疲労が抜けず、かえって走力が伸びなくなることもあります
目安としては、
- 週1〜2回まで
- 連続した日で行わない
この範囲で十分です
他の日は、ジョグやリカバリーラン、別の質練習と組み合わせることで、トータルの効果が高まります
トレーニング後のケアを怠る
ビルドアップ走の効果を次につなげるためには、トレーニング後のケアも欠かせません
最低限意識したいポイントは次の3つです
- クールダウンを行い、心拍と筋肉を落ち着かせる
- トレーニング後にストレッチを行う
- 水分・栄養をしっかり補給する
このひと手間が、怪我予防と継続のしやすさを大きく左右します
まとめ|ビルドアップ走を正しく取り入れて走力を底上げしよう
ビルドアップ走は、徐々にペースを上げていくというシンプルな構造ながら、非常に奥が深く、効果の高いトレーニングです
スタミナ・スピード持久力・ペース感覚・メンタルの強さを、1回の練習でバランスよく鍛えられる点が大きな魅力といえます
特に、
- ただジョグを続けているだけで伸び悩んでいる
- スピード練習に苦手意識がある
- レース後半に失速しやすい
といった悩みを抱える初心者〜中級者ランナーにとって、ビルドアップ走は非常に相性の良い練習方法です
一方で、
最初から飛ばしすぎたり、疲労が溜まっている状態で無理に行ったりすると、「きついだけで効果が出ない練習」になってしまうのも事実です
大切なのは、
- 前半は余裕をもって入り、後半に向かって上げ切ること
- 自分の走力や体調に合わせてペース・距離を調整すること
- 週1〜2回を目安に、継続して取り組むこと
この基本を守りながら積み重ねていくことです
ビルドアップ走は、短期間で劇的な変化を生む魔法の練習ではありません
しかし、正しく継続すれば、確実に走りの土台を引き上げてくれるトレーニングです
「今の練習からもう一段レベルアップしたい」
そう感じている方は、ぜひ今回紹介した内容を参考に、無理のない形でビルドアップ走を取り入れてみてください
日々の積み重ねが、次のレースでの自信につながるはずです
FAQ|ビルドアップ走に関するよくある質問
- ビルドアップ走は毎週やっても大丈夫ですか?
-
毎週行って問題ありませんが、頻度は週1〜2回が目安です。
ビルドアップ走は負荷の高いトレーニングのため、やりすぎると疲労が蓄積しやすくなります。
ジョグやリカバリーランなどと組み合わせながら、無理のない頻度で継続することが大切です。 - ビルドアップ走とペース走・インターバル走はどう使い分ければいいですか?
-
「走力の土台作り」にはビルドアップ走が向いています。
ペース走やインターバル走は強度が高く、スピード強化に効果的ですが、初心者や伸び悩み中のランナーには負荷が強すぎる場合があります。
まずはビルドアップ走でスタミナとペース感覚を養い、余裕が出てきたら他の練習を取り入れるのがおすすめです - レース前はいつまでビルドアップ走を行っていいですか?
-
フルマラソンの場合は、レース2〜3週間前までが目安です。
レース直前は疲労を抜くことが最優先になるため、ビルドアップ走の頻度や距離を減らすか、行わない方が安全です。
レースが近づいたら、軽めのジョグやレースペース確認程度に切り替えましょう。
▼フルマラソンでサブ4を狙う詳しい説明は以下の記事をご覧ください▼

▼練習メニューについて興味がある方は以下のページをご覧ください▼


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