ランニングは、心身の健康を保つために非常に効果的な運動です
継続することで、心肺機能の向上や体力の増強、ストレスの解消など、多くの健康効果が期待できます
一方で、ランニングを続けていると
「頑張っているのに、なかなかレベルが上がらない」
「タイムが伸び悩んでいる」
と感じることはないでしょうか
ランニング初心者や中級者の多くが、自己流で距離やスピードを伸ばそうとして、知らず知らずのうちに伸び悩みの壁にぶつかります
実は、ただ走る距離を増やしたり、毎回同じペースで走ったりするだけでは、ランニングのレベルはいずれ頭打ちになってしまいます
そこで重要になるのが、目的に合ったトレーニング方法を取り入れることです
今回注目したいのが、「ビルドアップ走」というトレーニング方法です
ビルドアップ走とは、一定の時間や距離の中で、意図的に徐々にペースを上げていくランニング練習のこと
無理なくスピードとスタミナの両方を高められるため、初心者〜中級者でも取り入れやすく、効率的に走力を底上げできるのが特徴です
初心者ランナーの方のビルドアップ走についての疑問や悩み
- ビルドアップ走って、具体的にどんな練習?
- 初心者でも本当に効果はある?
- ペース設定や頻度はどうすればいい?
- やってはいけない注意点は?
このような疑問や悩みを、できる限りこの記事で解決し、みなさんの目標達成のお手伝いになればと考えています
この記事では、
ビルドアップ走の基本的な考え方から、効果、具体的なやり方、実践時の注意点までを分かりやすく解説します
ランニング初心者〜中級者の方が、ビルドアップ走を安全かつ効果的に取り入れ、明日からの練習にそのまま使える実践的な内容をまとめました
「今の練習から一段レベルアップしたい」
そう考えている方は、ぜひ最後までご覧ください
ビルドアップ走とは?

ビルドアップ走とは、ランニング中に徐々にペースを上げていくトレーニング方法です
最初は余裕のあるペースで走り始め、ランニングの後半に向かって段階的にスピードを上げていきます
ただ速く走るのではなく、「ペースをコントロールしながら走る」ことがビルドアップ走の最大の特徴です
前半は抑え、後半に向かって意図的にペースを上げることで、体力とスピードの両方を効率よく高めていきます
ランニング初心者や中級者の中には、
- 毎回同じペースで走っている
- ときどき全力で走るが、練習に一貫性がない
という方も多いのではないでしょうか
ビルドアップ走は、こうした「なんとなくの練習」から脱却し、目的を持って走力を伸ばすための橋渡し的なトレーニングとして非常に有効です
ビルドアップ走で得られる効果
ビルドアップ走は、単に「後半を速く走る練習」ではありません。
正しく行うことで、ランナーにとって重要な複数の能力を同時に鍛えることができます。
スタミナの向上
ビルドアップ走では、前半を抑えたペースで走りながら、後半にかけて負荷を高めていきます
この流れによって、長時間動き続けるためのスタミナが効果的に鍛えられます
ペースを徐々に上げる過程で心肺への負荷が段階的に高まり、酸素消費能力(VO₂max)の向上にもつながります
結果として、長い距離を走ってもバテにくい身体を作ることができます
スピード・スピード持久力の向上
ビルドアップ走の特徴は、一番きつい状態でスピードを上げる点にあります
ランニング後半、疲労が溜まった状態でペースを上げることで、速いペースを維持する力(スピード持久力)が養われます
これはレース後半に失速しやすいランナーにとって、特に大きなメリットです
単発のスピード練習とは異なり、「疲れた脚で走り続ける力」を鍛えられる点が、ビルドアップ走の強みと言えます
レースペース感覚が身につく
ビルドアップ走を継続すると、自分が快適に維持できるペースと無理をしているペースの違いが明確になってきます
段階的にペースを上げる過程で、
- このペースなら余裕がある
- このあたりから呼吸がきつくなる
- ここは長くは持たない
といった感覚を自然に把握できるようになります
この経験は、フルマラソンやハーフマラソンでのペース配分に直結します
メンタルの強化
ビルドアップ走は、身体だけでなくメンタル面の強化にも効果的です
後半に向かってきつくなる展開の中で、「もう少し上げる」「崩さずに粘る」判断を繰り返すことになります
この積み重ねが、レース後半の苦しい場面でも冷静に走り続ける力につながります
結果として、精神的な安定感や粘り強さが養われ、本番での自信にもなっていきます
このようにビルドアップ走は、
スタミナ・スピード・ペース感覚・メンタルをバランスよく鍛えられる、非常に汎用性の高いトレーニングです
次の章では、
「では、具体的にどうやってビルドアップ走を行えばいいのか」
初心者〜中級者向けに、やり方・練習メニュー・頻度をまとめて解説していきます
ビルドアップ走のやり方と練習メニュー【完全ガイド】

ビルドアップ走は、ランニング経験や現在の走力に応じて柔軟に調整できるトレーニングです
ただし、やり方やペース設定を間違えると、**「きついだけで効果が出ない練習」**になってしまうこともあります
ここでは、
ビルドアップ走の基本的な考え方 → ペース設定のポイント → レベル別メニュー → 適切な頻度
という流れで解説します
ビルドアップ走の基本的なやり方
ビルドアップ走の基本はとてもシンプルです
- 前半は余裕をもって走る
- 後半に向かって段階的にペースを上げる
- 最後まで設定した内容をやり切る
大切なのは、「後半に上げること」よりも、無理なく段階的にペースを上げられる設計になっているかどうかです
最初から飛ばしてしまうと、途中で失速し、ビルドアップ走本来の効果が得られません
「最後までペースを上げ切れること」を前提に、控えめなスタートを意識しましょう
ビルドアップ走のペース設定の考え方
ビルドアップ走を効果的に行うためには、ペース設定が最も重要です
ポイントは、
- 無理をしないこと
- 段階的に上げられること
- 練習を最後までやり切れること
ペースを決める方法は、大きく分けて次の2つがあります
- 時間で区切る方法
- 距離で区切る方法
どちらが正解ということはなく、
・時間管理がしやすい → 時間ベース
・距離感覚を養いたい → 距離ベース
といった形で使い分けるのがおすすめです
ここからは、サブ4.5/サブ4/サブ3.5を目標とするランナー向けに、具体的なメニュー例を紹介します
【時間で区切る】ビルドアップ走メニュー例
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 7分30秒~8分00秒/km)
↓
15分間:少し速めのペース (ペース: 7分00秒~7分30秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
↓
15分間:中程度のペース (ペース: 6分00秒~6分30秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 5分30秒~6分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
15分間:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 5分45秒~6分00秒/km)
↓
15分間:中程度のペース (ペース: 5分15秒~5分45秒/km)
↓
10分間:目標レースペース(ペース: 5分00秒~5分15秒/km)
↓
5分間:目標レースペースよりも早いペース (ペース: 4分45秒~5分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
距離で区切ってペースを調整する場合
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~2km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 7分30秒~8分00秒/km)
↓
2~4km:少し速めのペース (ペース: 7分00秒~7分30秒/km)
↓
4~6km:目標レースペース(ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~2km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 6分30秒~7分00秒/km)
↓
2~4km:中程度のペース (ペース: 6分00秒~6分30秒/km)
↓
4~6km:目標レースペース(ペース: 5分30秒~6分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
① ウォームアップ:
10分間の軽いジョギング
② ビルドアップ走:
0~3km:非常にゆっくりとしたペース (ペース: 5分45秒~6分00秒/km)
↓
3~6km:中程度のペース (ペース: 5分15秒~5分45秒/km)
↓
6~9km:目標レースペース(ペース: 5分00秒~5分15秒/km)
↓
9~10km:目標レースペースよりも早いペース (ペース: 4分45秒~5分00秒/km)
③ クールダウン:
5分間の軽いジョギングまたはウォーキング+静的ストレッチ
ビルドアップ走の頻度と取り入れ方
ビルドアップ走は、週に1〜2回が目安です
頻度を増やしすぎると疲労が蓄積しやすくなるため、他の練習とバランスを取りながら取り入れましょう
また、効果を実感するためには、少なくとも8週間程度の継続がおすすめです
その日の体調や疲労度に応じて、ペースや距離を柔軟に調整しながら行うことが、長く続けるコツです
ビルドアップ走でよくある失敗と注意点

ビルドアップ走を効果的かつ安全に行うためには、いくつか押さえておくべき注意点があります
やり方自体はシンプルなトレーニングですが、間違った実践をすると効果が出ないだけでなく、怪我や不調につながることもあります
ここでは、初心者〜中級者が特に陥りやすい失敗と、その対策を整理します
最初からペースを上げすぎて失速する
ビルドアップ走で最も多い失敗が、前半からペースを上げすぎてしまうことです
「今日は調子が良さそう」
「最初から少し速めでもいけそう」
こうした感覚でスタートすると、後半にペースを上げられず、結果的にビルドアップになりません
ビルドアップ走で大切なのは、後半に余裕を残すことです
対策としては、
- 前半は「遅すぎるかな?」と感じるくらいで入る
- 最後まで段階的にペースを上げ切れる設計にする
この意識だけでも、練習の質は大きく変わります
後半でフォームが崩れてしまう
ペースが上がるにつれて、無意識のうちにフォームが崩れてしまうケースも少なくありません
特に多いのが、
- 上体が力んでしまう
- ストライドを無理に伸ばそうとする
- 腕振りが大きくなりすぎる
といった状態です
フォームが崩れたまま走り続けると、脚への負担が増え、膝やふくらはぎのトラブルにつながりやすくなります
ビルドアップ走では、
- ピッチを意識して自然に回転を上げる
- 上体はリラックスした状態を保つ
といった点を意識し、「楽に速く走る感覚」を大切にしましょう
疲労が溜まっているのに無理をしてしまう
ビルドアップ走は負荷の高い練習です
疲労が十分に抜けていない状態で行うと、オーバートレーニングや怪我のリスクが一気に高まります
特に注意したいのは、
- 前日の練習で脚が重い
- 違和感や軽い痛みが出ている
- 睡眠不足が続いている
といった状態です
こうしたときは、
- ペースを一段階落とす
- ビルドアップ走自体を別日に回す
など、柔軟に判断することが大切です
ビルドアップ走をやりすぎてしまう
効果を実感しやすい練習ほど、「やればやるほど伸びる」と感じてしまいがちです
しかし、ビルドアップ走を頻繁に行うと、疲労が抜けず、かえって走力が伸びなくなることもあります
目安としては、
- 週1〜2回まで
- 連続した日で行わない
この範囲で十分です
他の日は、ジョグやリカバリーラン、別の質練習と組み合わせることで、トータルの効果が高まります
トレーニング後のケアを怠る
ビルドアップ走の効果を次につなげるためには、トレーニング後のケアも欠かせません
最低限意識したいポイントは次の3つです
- クールダウンを行い、心拍と筋肉を落ち着かせる
- トレーニング後にストレッチを行う
- 水分・栄養をしっかり補給する
このひと手間が、怪我予防と継続のしやすさを大きく左右します
まとめ|ビルドアップ走を正しく取り入れて走力を底上げしよう
ビルドアップ走は、徐々にペースを上げていくというシンプルな構造ながら、非常に奥が深く、効果の高いトレーニングです
スタミナ・スピード持久力・ペース感覚・メンタルの強さを、1回の練習でバランスよく鍛えられる点が大きな魅力といえます
特に、
- ただジョグを続けているだけで伸び悩んでいる
- スピード練習に苦手意識がある
- レース後半に失速しやすい
といった悩みを抱える初心者〜中級者ランナーにとって、ビルドアップ走は非常に相性の良い練習方法です
一方で、
最初から飛ばしすぎたり、疲労が溜まっている状態で無理に行ったりすると、「きついだけで効果が出ない練習」になってしまうのも事実です
大切なのは、
- 前半は余裕をもって入り、後半に向かって上げ切ること
- 自分の走力や体調に合わせてペース・距離を調整すること
- 週1〜2回を目安に、継続して取り組むこと
この基本を守りながら積み重ねていくことです
ビルドアップ走は、短期間で劇的な変化を生む魔法の練習ではありません
しかし、正しく継続すれば、確実に走りの土台を引き上げてくれるトレーニングです
「今の練習からもう一段レベルアップしたい」
そう感じている方は、ぜひ今回紹介した内容を参考に、無理のない形でビルドアップ走を取り入れてみてください
日々の積み重ねが、次のレースでの自信につながるはずです
Q&A
- ビルドアップ走は毎週やっても大丈夫ですか?
-
毎週行って問題ありませんが、頻度は週1〜2回が目安です。
ビルドアップ走は負荷の高いトレーニングのため、やりすぎると疲労が蓄積しやすくなります。
ジョグやリカバリーランなどと組み合わせながら、無理のない頻度で継続することが大切です。 - ビルドアップ走とペース走・インターバル走はどう使い分ければいいですか?
-
「走力の土台作り」にはビルドアップ走が向いています。
ペース走やインターバル走は強度が高く、スピード強化に効果的ですが、初心者や伸び悩み中のランナーには負荷が強すぎる場合があります。
まずはビルドアップ走でスタミナとペース感覚を養い、余裕が出てきたら他の練習を取り入れるのがおすすめです - レース前はいつまでビルドアップ走を行っていいですか?
-
フルマラソンの場合は、レース2〜3週間前までが目安です。
レース直前は疲労を抜くことが最優先になるため、ビルドアップ走の頻度や距離を減らすか、行わない方が安全です。
レースが近づいたら、軽めのジョグやレースペース確認程度に切り替えましょう。
▼フルマラソンでサブ4を狙う詳しい説明は以下の記事をご覧ください▼

▼練習メニューについて興味がある方は以下のページをご覧ください▼


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